インプラント治療とは、どんなもの?②

2023.11.09

2023.11.09

インプラント治療とは、どんなもの?②

なんらかの理由で歯を失ってしまったら、歯に代わる何かを入れないと
残っている歯のためにも、そして身体の健康のためにも良くありません。

そのために、代わりとして入れるものの選択肢として
ブリッジ、入れ歯、インプラントがあると前回お伝えしましたね。

では今回は、インプラントとは一体、どういうものなのか?
そして、どのような治療をするのか?
をお伝えしていきたいと思います。

まず、インプラントは歯を失った部分の顎の骨にチタン製の
人工歯根(インプラント)と言うものを埋め込みます。

そして、その人工歯根を土台にして、
歯に見えるように上部構造と言われる人工の歯を被せます。

この2つを、つなぐ役目をするのに、アバットメントと言う部品も使用します。

この①人工歯根(インプラント) ②アバットメント ③上部構造
の3つで構成されています。
と言っても、『?』と思われると思いますので、
治療法と併せて、詳しくお伝えしたいと思います。

ところで、インプラント治療が何故か怖い、痛いと言うイメージがありませんか?
それは、外科手術が必要だからです。
そう、インプラントは外科的な治療を伴います。
そのせいで、インプラントを実際されたことのある人からの口コミなどで、
このようなイメージがついてしまっているのです。

しかし、そのイメージは本当に体験者の声でしょうか?
実は、体験した方の多くは、
「え?この程度の痛み!?」と驚かれたり、
「歯を抜いたことがあるけど、その時の方が痛かった」
という感想を持たれます。

ただ、やはり外科的な処置なので、痛みが無い訳ではありません。
そこで、この(想像したほどに、全然痛く無い)痛みの部分だけが、
イメージと合わさって、噂のようにして広まってしまっているのです。

もし、残っている歯が1本もなくて、多くの本数のインプラントを
埋入しないといけない場合は、確かに痛みが少なからずあると思います。

しかし、数本程度の埋入だと、本当に歯を抜くのより痛くないと言う表現が
ピッタリなほど、大きな痛みは無いと言われています。

これで、少しはインプラントが外科処置であるけれど、
痛みは少ないと言うイメージを持ってもらえれば、
インプラント治療の進め方も、頭に入りやすいかと思います。

痛そう!外科!と思うだけで、聞く気も失せてしまいますよね。

インプラントは

①人工歯根(インプラント)
②アバットメント
③上部構造(人工歯)

から出来ています。

では、治療法ですが、
まず歯を失った部分の顎の骨に、①人工歯根を埋めこみます。

これは、ネジ状の形をしていて、上の顎と下の顎かによって
少し期間は違いますが、数ヶ月かけて骨に癒着します。
癒着することによって、自分の歯と同じようにしっかりと顎にくっつくので、
インプラントに負荷がかかって(ものを噛んだりすると負荷がかかる)も、大丈夫になります。

そして、しっかり骨にくっついたら、②アバットメントと言うインプラントと
上部構造(人工歯)を繫ぐための部品をインプラントにくっつけます。

それに、最後③上部構造(人工歯)を被せるために精巧な型どりをし、
完成した上部構造を装着すれば、完成です。

外科処置だと言っても、外科的なことをするのは
①人工歯根を埋入(まいにゅう)する時ですが、
これも今では驚くほど小さくしか、骨に穴を開けないので、

前回もお話ししたように
「抜歯の方が痛かった」という程の痛みしかありません。

そして、手順や期間などは、使うインプラント体の種類や、
患者さんの骨の状態などによっても、変わりますが、基本は、このような手順で進みます。

また、インプラントは失った歯1本に対し、
インプラントも1本埋入すると思われていることが多いですが、そんなことはありません。

これも、お口の中の状況などにより大きく変わりますが、
例えば、3本の連なった部分の歯を失ってしまってインプラントをする場合、

①人工歯根(インプラント)は2本だけ埋入して、
③の上部構造(人工歯)は3本分に見えるように作るという事もあります。

だから全ての歯を失ってしまったとしても、
本来なら28本が全ての本数ですが、28本埋入する訳では、ありません。
それでも、ちゃんと上部構造(人工歯)で、全ての歯があるように見えるのです。

インプラントの上部構造は、材質に何を使うかによって、
見栄えも変わってきますが、審美性に優れていて、一見しただけで、他人から

「インプラントだ!!」

と、わかることはありません。
それどころか、「綺麗な歯だなぁ」と思われるでしょう。

インプラントは、骨の状態などによって、すぐに埋入できない場合もあります。
その場合は、インプラントを埋入するよりも前に、
骨を作る処置をすることもあります。

その処置をした場合は、処置をしてから、
数ヶ月、期間をおいてからインプラントを埋入することになります。

その他にも、お口の中の状態によって、いろんなパターンがありますので、
期間なども、それぞれ変わりますので、主治医に治療計画をしっかり聞く、
また相談すると良いですよ。

ここまで、インプラントが一体どういうものなのか、治療はどのように
行うのかをお伝えしてきました。

インプラントに対する疑問や不安が少しでも、解決されたでしょうか?
噂に聞くほど、痛くはなさそうだと思われているかもしれません。
歯科でインプラントと言われて、きっと一番の不安は「痛み」だと思います。

しかし、その「痛み」への不安が解消されたからと言って、
「じゃあ、インプラントする!!」
と、すんなり決めれませんよね。

それは、他にも色々と疑問や不安があるからではないでしょうか?
では、少しでもインプラント治療をきちんと理解して、自分の治療には、
何が最善かを考えてもらえるよう、ここではインプラントのメリットとデメリットをお伝えします。

<メリット>
①顎の骨にしっかり固定されているので、まるで自分の歯のように
 しっかりと噛むことが出来る
②ブリッジや入れ歯のように、周囲の歯を支えにすることは無いので、
 他の歯への負担が無い
③見た目が自然で、美しい歯のようになる

<デメリット>
①外科処置が必要
②治療期間が長くかかる
③疾患がある場合などに、インプラント治療を行えない場合がある
④保険適応外なので、高価

大きくは、このような事が挙げられます。

インプラントは、勿論とても優れた治療法であると思います。
しかし、お口の中の状態や、費用のことなど、人それぞれ状況が違います。
ブリッジや入れ歯にすると言う治療法にもメリット、デメリットがありますので、
どの治療が自分にとって一番最善なのか、主治医としっかり相談の上、

治療を勧められることを、お勧めします。