歯肉が健康か判断する3つのポイント

2024.03.06

2024.03.06

歯肉が健康か判断する3つのポイント

歯肉が赤く腫れていたり、歯磨きの時に出血したりすることはありませんか?
健康な歯肉とはどのような状態なのでしょうか。
今回は、歯肉が健康であることを判断するポイントについて解説します。

健康な歯肉とは

健康な歯肉を判断するポイントは主に3つです。

①薄いピンク色をしている
②歯肉が引き締まっていて、表面には小さな窪み(スティップリング)がみられる
③歯磨きで出血しない

健康な歯肉は、薄いピンク色をして引き締まっています。
歯肉の表面にはスティップリングという小さな窪みがあり、歯磨きをしても出血しません。
プラークや歯石である細菌の塊が蓄積することによって、歯肉炎や歯周病を引き起こし歯肉の状態が変化します。

歯肉炎・歯周病の歯肉とは

①歯肉に赤みがある
②腫れがありやわらかい
③歯磨きで出血する

歯肉炎と歯周病の原因は、細菌の塊であるプラークです。
歯肉の赤みや腫れ、出血は歯肉に問題が起きているサインです。
歯周病の初期段階である歯肉炎を放っておくと、やがて歯を支えている骨が細菌によって溶かされてしまい、最終的に歯が抜けてしまいます。
歯周病は痛みなどの自覚症状が出にくく、気がついた時には重症化していることがほとんどです。
歯周病によって溶かされてしまった骨は、残念ながら元の状態に戻すことはできません。
歯周病が重症化すると歯肉の退縮や歯の揺れが起こります。

歯周病の検査

歯肉の見た目だけでは、歯周病の進行具合を診断することはできません。
歯科医院で行う歯周病の検査について解説します。

歯周ポケット検査
歯周ポケット検査とは、プローブと呼ばれる細長いメモリのついた器具を使用し、歯周ポケットの深さを測る検査です。
歯周ポケットの深さや、歯肉の出血状態などで歯周病の進行具合がわかります。

健康な状態:〜2mm
軽度歯周病:3〜4mm
中等度歯周病:5〜6mm
重度の歯周病:7mm以上

歯周ポケットが深い場合は、それだけ歯を支えている骨が溶けているということです。
健康な歯肉は歯周ポケット検査では出血しません。
出血する場合は歯肉に炎症が起きており、歯周病が進行している状態です。
見た目ではわからない歯周ポケット内のざらつきによって、歯石の有無もわかります。

レントゲン検査
レントゲン検査をすることによって、歯を支えている骨の状態がわかります。
歯石が多く蓄積している場合は、レントゲンに写ることもあります。

歯周病の治療

歯周病の治療を行うことで歯肉の状態が改善し、健康な歯肉を取り戻すことができます。

ブラッシング指導
歯肉炎や歯周病による歯肉の腫れは、磨き残しであるプラークが原因です。
プラークは毎日のブラッシングで取り除くことができます。
歯周病の予防や改善には、正しい方法による丁寧なブラッシングが欠かせません。
歯科衛生士によるブラッシング指導で、ご自身に合ったブラッシング方法を身につけることができます。

歯石除去
歯石はブラッシングで取り除くことはできません。
専用の器具を使用し、硬く付着した歯石を取り除きます。

歯周外科治療
ブラッシングや歯石除去で改善しない場合は、歯周外科治療を行う場合もあります。

メンテナンス
歯周病の治療が終了し、歯肉の状態が健康になっても安心はできません。
なぜなら、毎日のブラッシングだけでは100%プラークを取り除くことは難しく、歯周病が再発してしまう可能性があるからです。
実際にブラッシングや歯間ブラシを使用していたとしても、セルフケアで除去できるプラークは60〜80%程度と言われています。
そのためにも3〜4ヶ月に一度、歯周病の検査をしてブラッシングでは取り除けないプラークや歯石を除去する必要があります。
定期的にメンテナンスをすることによって、歯肉の健康状態を維持することができます。