歯磨き剤を抜きでは「予防」は語れない

2024.07.15

2024.07.15

歯磨き剤を抜きでは「予防」は語れない

(予防に大切な歯磨き剤の効果とは?)

ドラッグストアに行くと多くの歯磨き剤がありますが、目的別に歯磨き剤を選んでいますか?
フッ素が配合している歯磨き剤が増えて、9割程度配合されていると言われています。
多くの方がフッ素入りに歯磨き剤を使用していますが、歯磨き剤には「歯周病ケア」「ホワイトニング効果」「口臭予防」などに特化した歯磨き剤があります。
目的に応じて歯磨き剤を選ぶと、お口の健康を効果的に維持しやすくなります。
そこで今回は予防に大切な歯磨き剤について詳しくご紹介します。

【歯磨き剤のジェルとペーストの違い】

・ペーストタイプ
一般的に多く販売されているのがペーストタイプで発砲剤が配合されていることが多く、泡立ちやすい特徴があります。
また、研磨剤が配合されているので、着色汚れに効果的です。
ただし、泡立ちがよく、お口の中に清涼感があると磨いた感じがして、細かい部分に汚れが残ってしまいやすいデメリットがあります。

・ジェルタイプ
ジェルタイプは発泡剤を配合されていないので、泡立ちがありませんが、歯や歯ぐきの表面に薬用成分がとどまりやすい特徴があります。
また、研磨剤が無配合の場合が多く、歯の表面を傷つける心配がありません。
その分、歯の表面の着色汚れが落としにくいデメリットがあります。

【歯周病ケアを目的にしている歯磨き剤】
歯周病は腫れや出血がある場合が多く、その症状に効果的な薬用成分が含まれているものを選ぶと効果的です。
歯磨き剤の裏側に成分が表記してあることが多いので、成分を参考に歯磨き剤を選びましょう。

歯周病に効果的な成分
〈殺菌成分〉
・イソプロピルメチルフェノール(IPMP)
・塩化セチルピリニジウム(CPC)
・塩化ベンゼトニウム

〈抗炎症成分〉
抗炎症成分は歯ぐきの腫れに対応している成分です。
・グリチルリチン酸
・トラネキサム酸

〈血流の改善成分〉
・トコフェノール酢酸エクセル(ビタミンE)

〈口臭予防成分〉
・ゼオライト

〈歯ぐきのひきしめ成分〉
・塩化ナトリウム

歯周病予防のためには、薬用成分がお口の中にとどまりやすくなるためにジェルタイプのものがおすすめです。

【口臭予防を目的にしている歯磨き剤】
口臭の9割程度はお口の中に原因があるので、その原因に対応していくことが大切です。
口臭の多くは、お口の中に汚れが残ってしまい、その汚れの中の細菌が増殖して毒素を排出するので、お口のにおいが発生します。
そのため、汚れをしっかり除去することが大切です。

口臭予防のために効果的な成分
〈洗浄成分〉
・炭酸ナトリウム

〈殺菌成分〉
・ラウロイルサルコシンNa

などが配合されているものがおすすめです。

また、舌の上に白く残った「舌苔(ぜったい)」が原因で口臭がする場合もあるので、舌ブラシで優しく汚れを落とすことも効果的です。
そのほかには、舌の上に泡で出てくる歯磨き剤を乗せて口臭の原因である舌の上の菌を洗い流す効果が期待できます。

【ホワイトニング効果を目的にした歯磨き剤】
生活習慣で歯の表面には着色汚れがつきますが、ホワイトニング効果を目的にした歯磨き剤はこの着色汚れを落としやすくします。

ホワイトニング効果を目的にした成分
〈歯の表面をコーティングする成分〉
・ポリリン酸ナトリウム

〈歯の表面の傷を埋める成分〉
・ハイドロキシアパタイト

歯が黄ばむ理由は着色しやすい飲食物を多く摂取している場合があります。
「赤ワイン」「カレー」「コーヒー」「ラズベリー」などは着色しやすい飲食物です。
飲食後は歯磨きやうがいをするなど対策をしましょう。

【まとめ】
歯磨き剤は配合されている成分が違います。
歯周病・歯の着色汚れ・口臭など目的別に選ぶと効果的にお口の環境を整えられます。
歯磨き剤選びに迷った際には、患者さまのお口に合ったものを選択してくれますので、
歯科医院に相談してみましょう。