2025.10.09
放置は危険?口臭の原因は歯周病かもしれない
こんにちは。大阪市中央区南本町「堺筋本町駅」1号出入口より徒歩1分にある歯医者「ヤマシタデンタルクリニック」です。

歯磨きをしているのに口臭が気になるという方がいらっしゃるのではないでしょうか。実は、口臭の大きな原因のひとつが歯周病です。
歯周病は歯を支える組織が炎症を起こし、放置すると歯を失う可能性もある怖い病気ですが、初期段階では自覚症状が少ないため、知らないうちに進行するケースが多く見られます。そして、歯周病が進行すると、独特の不快な臭いが発生するのです。
今回は、歯周病がなぜ口臭を引き起こすのか、そのメカニズムや確認方法などについて解説します。歯周病による口臭を改善するためにできることもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
歯周病が進行すると口臭がひどくなる?

歯周病と口臭には深い関係があります。
歯周病が進行すると、歯と歯ぐきの間に歯周ポケットと呼ばれる隙間ができます。この中では酸素の少ない環境が生まれ、嫌気性菌という細菌が増殖します。これらの細菌は、食べかすやタンパク質を分解して揮発性硫黄化合物(VSC)という強い悪臭を放つガスを発生させます。
これがいわゆる歯周病による口臭の主な原因です。特に硫化水素やメチルメルカプタンは、腐敗臭や卵が腐ったような臭いを発するため、周囲の人にも不快感を与えやすいのです。
さらに、歯周ポケット内で出血や膿が生じると、その臭いも混ざり、より強い口臭を引き起こします。また、歯周病によって唾液の分泌量が減ると、口の中の自浄作用が低下し、臭い成分が滞留しやすくなるのも悪化の一因です。
つまり、歯周病が進むほど口臭は強くなる傾向にあるのです。
口臭があるか確認する方法

口臭があるか確認する方法には、以下のようなものがあります。
コップに入れた息の臭いを嗅ぐ
清潔なコップをひとつ用意します。そして、口をコップに近づけて、しっかりと息を吐き出します。このとき、鼻ではなく口だけでゆっくりと息を吹き込むのがポイントです。
息を入れ終えたら、すぐにコップの口を手でふさぐようにして密閉し、数秒ほど待ちます。その後、手を外して中のにおいを嗅いでみましょう。これにより、他人が感じるあなたの口臭に近いにおいを確認することができます。
時間帯によって口臭の強さは変化するため、朝起きた直後や食後、歯磨きの前など、いくつかのタイミングで試してみるのも良いでしょう。
デンタルフロスや歯間ブラシの臭いを嗅ぐ
デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯と歯の間を掃除したあと、その臭いを確認する方法も有効です。
もし臭いが強い場合、それは歯周ポケット内に細菌が増殖しているサインかもしれません。特に、食べかすや血液が混じった臭いがする場合、歯ぐきの炎症や歯周病の進行が疑われます。このチェックは、歯周病の早期発見にも役立ちます。
信頼できる人に確認してもらう
自分ではわかりにくい口臭を客観的に判断するために、家族や友人など信頼できる人にチェックしてもらうのも一つの方法です。他人の嗅覚は自分よりも敏感で、口臭の有無をより正確に判断してもらえます。
ただし、デリケートな問題なので、相手に頼む際は配慮が必要です。臭いの種類(生臭い・腐敗臭など)を伝えてもらうと、原因の推定にも役立ちます。
歯科医院でチェックしてもらう
最も確実なのは、歯科医院で口臭検査や歯周病検査を受けることです。歯科医院では専用の口臭測定器を用いて、揮発性硫黄化合物の量を数値で確認できます。また、歯ぐきの状態や歯石の付着具合もチェックし、歯周病の進行度を診断します。
自覚がなくても歯周ポケットが深くなっている場合もあるため、定期的に検査を受けることが大切です。
歯周病による口臭を改善するためには

歯周病による口臭を改善するには、原因となる歯周病そのものを治療し、再発を防ぐ日常ケアを徹底することが大切です。
歯科医院で専門的な治療を受ける
歯周病の進行を止め、口臭を改善するためには、まず歯科医院での専門的な治療が欠かせません。
歯科医院ではスケーリングやルートプレーニングなどの処置を行い、歯の表面や歯ぐきの中にこびりついた歯石を除去します。これにより、細菌の温床が減り、臭いの発生を根本から抑えることができます。
特に歯ぐきが腫れている、出血する、膿が出るといった症状がある場合は、早めの受診が重要です。
毎日のブラッシングを見直す
歯周病による口臭を改善するためには、毎日しっかりと歯磨きをすることが大切です。
歯磨きをするときは、歯と歯ぐきの境目を丁寧に磨きましょう。硬い歯ブラシで力任せに磨くと歯ぐきを傷つけてしまうため、毛先の柔らかい歯ブラシを使い、小刻みに動かしながら優しく磨きます。
また、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、歯と歯の間に残るプラークや食べかすを効果的に取り除けます。これらのケアを毎日行うことで、歯周病菌の増殖を抑え、口臭の改善につながります。
食生活と生活習慣を整える
歯周病を予防し、口臭を改善するためには、歯みがきなどのケアだけでなく、日々の食生活や生活習慣の見直しも欠かせません。特に、砂糖を多く含むお菓子や清涼飲料水を頻繁に摂ると、口の中に歯垢がたまりやすくなり、細菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。
反対に、野菜や果物など食物繊維を多く含む食品を積極的に取り入れることで、自然に咀嚼回数が増え、唾液の分泌が促されます。唾液には殺菌作用があるため、口の中を清潔に保つ手助けをしてくれます。
また、タバコは歯ぐきの血流を悪化させ、歯周病の進行を早めるだけでなく、独特の強い口臭の原因にもなるため、できる限り禁煙を心がけましょう。
さらに、ストレスの多い生活や慢性的な睡眠不足は、免疫力を下げて歯ぐきの炎症を悪化させることがあります。バランスのとれた食事と規則正しい生活を意識することが、歯と口の健康を守る近道です。
歯周病以外が原因で口臭がすることもある

歯周病が口臭の主な原因ではありますが、それ以外の要因で口臭が発生する場合もあります。ここでは、口臭が発生する歯周病以外の原因について解説します。
舌苔
ふと舌を見ると白っぽい苔のようなものが付着していることがあります。これが、舌苔(ぜったい)と呼ばれるもので、これも口臭の原因の一つです。
舌苔には細菌や食べかす、剥がれた粘膜が蓄積し、これらが分解されることで臭い物質が発生します。特に口呼吸の習慣や水分不足があると舌苔が厚くなり、口臭が強くなる傾向があります。専用の舌ブラシで優しく清掃することが大切です。
唾液の減少・ドライマウス
唾液には口内を洗浄し、細菌の繁殖を抑える働きがあります。
しかし、ストレスや加齢、薬の副作用などで唾液の分泌量が減ると、口の中が乾燥しやすくなり、口臭が発生します。ドライマウスの人は、口臭だけでなく、話しづらさや口内の粘つきを感じることもあります。こまめな水分補給や唾液腺のマッサージなどが改善に役立ちます。
食べ物や飲み物によるもの
ニンニクやニラ、アルコール、コーヒーなどは、一時的に強い臭いを発します。これらは胃で吸収され、血液を通して肺に到達し、呼気として臭いが出ます。
時間の経過とともに自然に薄れますが、口内の清掃を怠ると臭いが長引くこともあるため、食後のブラッシングやうがいを心がけましょう。
胃腸の不調
胃炎や逆流性食道炎など、消化器系のトラブルも口臭の原因になる場合があります。胃の内容物やガスが逆流することで、口から不快な臭いが出ることがあるのです。慢性的な口臭がある場合、歯科だけでなく内科的な検査も検討するとよいでしょう。
まとめ

歯周病は、単に歯ぐきの病気というだけでなく、強い口臭を引き起こす原因にもなります。進行すると歯を支える骨まで溶かしてしまうため、早期発見と治療が何より重要です。
口臭を感じたときは、市販のケア用品で一時的にごまかすのではなく、まず歯科医院で診断を受けることが大切です。また、歯周病以外にも舌苔や唾液の減少、胃腸の不調など、さまざまな要因が関係している場合もあります。
日常のブラッシングや定期検診を欠かさず、清潔な口内環境を保つことが大切です。自分の口の健康を見直すきっかけとして、今日からできるケアを始めてみましょう。
歯周病の症状にお悩みの方は、大阪市中央区南本町「堺筋本町駅」1号出入口より徒歩1分にある歯医者「ヤマシタデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、「歯の健康に出会う歯医者」として安心・安全を心がけて診療にあたっています。虫歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療やインプラント、予防歯科にも力を入れています。診療案内ページはこちら、予約フォームもございますので、ぜひご覧ください。