歯周病を自分で治すことはできる?放置するリスクと進行を防ぐ方法

2025.05.08

2025.05.08

歯周病を自分で治すことはできる?放置するリスクと進行を防ぐ方法

こんにちは。大阪市中央区南本町「堺筋本町駅」1号出入口より徒歩1分にある歯医者「ヤマシタデンタルクリニック」です。

歯周病を患った歯茎

歯ぐきの腫れや出血に気づいても、忙しいからとそのまま放置している方もいるかもしれません。歯周病は初期段階では痛みが少なく、気づかないうちに進行することが多い病気です。重症化すると歯を失う原因にもなるため、早めの対処が重要です。

しかし「歯周病は自分で治せるのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。

今回は、歯周病を自力で改善することは可能なのか、放置した場合に起こりうるリスク、そして進行を防ぐための正しいケア方法について詳しく解説します。

歯周病を自分で治すことはできる?

歯周病を自分で治すことはできるのか悩む女性

軽度の歯周病であれば、正しい歯磨きや生活習慣の見直しによって改善が期待できることがあります。歯垢をしっかり取り除くセルフケアの積み重ねが、歯ぐきの炎症を抑える効果につながります。

しかし、歯石が付着していたり、歯周ポケットが深くなっている場合には、自宅でのケアだけでは対応できません。見えない部分に潜む細菌や汚れは、歯科医院での専門的なクリーニングが必要です。早めに歯科医師に相談することで、重症化を防ぎやすくなります。

歯周病の原因

歯周病の原因イメージ

歯周病の発症と進行には、さまざまな要因が関与しており、日常の生活習慣とも深く結びついています。ここでは、歯周病の主な原因について詳しく解説します。

歯垢(プラーク)と歯石の蓄積

歯周病の直接的な原因となるのが、歯の表面に付着する歯垢(プラーク)です。歯垢は、食べかすや唾液中の成分を栄養源にして増殖する細菌の塊であり、磨き残しの多い部分に多く付着します。

プラークの中には歯周病の原因菌が多数存在しており、歯と歯ぐきの間に入り込むことで、炎症や歯周ポケットの形成を引き起こします。

プラークが除去されずに長期間放置されると、唾液中のカルシウムと結びついて硬化し、歯石になります。歯石になると通常の歯磨きでは取り除けず、歯科医院での専門的な処置が必要になります。

歯石の表面はざらついており、細菌がさらに付着しやすくなるため、炎症の悪化を招きやすい状態になります。

免疫力の低下や体調の変化

歯周病は細菌による感染症ですが、すべての人が同じように発症するわけではありません。個人の免疫力や体の状態によって、歯ぐきの抵抗力が左右されることがあります。

例えば、疲労やストレスが溜まっていたり、風邪などで体調が悪いときには、歯周病菌に対する防御力が低下しやすくなります。その結果、軽い炎症が悪化する可能性があります。

また、加齢やホルモンバランスの変化も歯周組織の弱体化に関係すると考えられており、特に妊娠中や更年期の女性は注意が必要です。

喫煙

喫煙は、歯周病のリスクを高める重要な要因の一つです。たばこに含まれる有害物質は血流を悪化させ、歯ぐきへの酸素や栄養の供給を妨げます。そのため、歯周組織の修復機能が弱まり、炎症が治りにくくなります。

また、喫煙者は歯ぐきの出血などの自覚症状が現れにくいため、進行に気づかず重症化するケースも多く見られます。禁煙することで、歯周病のリスクを大幅に下げられます。

歯並びや噛み合わせの問題

歯並びが悪かったり、噛み合わせに異常がある場合、一部の歯に過度な負担がかかることがあります。こうした状態では、歯周組織に物理的なストレスがかかり、炎症が起きやすくなります。

さらに、歯ブラシが届きにくい箇所が増えることで、歯垢が溜まりやすくなり、結果として歯周病のリスクが高まります。歯並びの改善や適切な噛み合わせの調整は、歯周病予防にもつながります。

糖尿病

糖尿病と歯周病には、密接な関係があることが知られています。血糖値のコントロールが不十分な状態では、感染に対する抵抗力が低下し、歯周病の炎症が悪化しやすくなります。

逆に、歯周病が進行することで炎症性物質が全身に影響を与え、血糖値の管理が難しくなることもあります。つまり、歯周病と糖尿病は互いに悪影響を及ぼし合う関係にあるため、どちらか一方の改善が他方の管理にもつながります。

不適切な生活習慣

不規則な食生活や栄養バランスの乱れも、歯周病の原因になります。特にビタミンCやカルシウムが不足すると、歯ぐきの健康を保つ機能が低下するため注意が必要です。

また、睡眠不足や運動不足といった生活習慣も免疫機能に影響を与えるため、結果的に歯周病を引き起こしやすくなる可能性があります。

歯周病を放置するリスク

歯周病を放置するリスクイメージ

歯ぐきの腫れや出血といった歯周病の初期症状を軽視し、そのまま放置すると、口腔内だけでなく全身の健康にも大きな影響を及ぼす可能性があります。ここでは、歯周病を放置するリスクを確認しましょう。

歯を失う可能性が高くなる

歯周病が進行すると、歯を支える骨(歯槽骨)が少しずつ吸収されていきます。これにより、歯がぐらつき始め、最終的には抜け落ちることもあります。

日本人が歯を失う最も多い原因は、虫歯ではなく歯周病とされています。歯を失うことで噛む力が弱くなり、食生活の質が下がるだけでなく、見た目や発音にも影響を及ぼします。さらに、義歯やインプラント治療などが必要になり、経済的な負担も大きくなるでしょう。

口臭や見た目の悪化

歯周病が進むと、歯ぐきから膿が出たり、独特の口臭が発生するようになります。これは、歯周ポケットの中で細菌が増殖し、毒素を排出することによって起こります。

口臭が強くなると、周囲の人とのコミュニケーションにも影響を及ぼし、社会的なストレスの原因にもなりかねません。また、歯ぐきの腫れや後退により歯が長く見え、見た目にも不健康な印象を与えるようになります。

全身疾患との関係

近年の研究では、歯周病と全身の健康との関連が数多く報告されています。特に、糖尿病や心疾患、脳梗塞、誤嚥性肺炎などとの関連が指摘されており、歯周病があることでこれらの病気のリスクが高まると考えられています。

炎症性物質が血流にのって全身を巡ることで、他の臓器に悪影響を及ぼす可能性があるのです。つまり、歯周病を単なる口の病気としてとらえるのではなく、全身の健康を守るためにも適切に管理すべき疾患といえます。

歯周病の進行を防ぐ方法

歯周病の進行を防ぐ女性

ここでは、歯周病の進行を防ぐための具体的な方法について詳しく解説します。

正しい歯磨きの徹底

歯周病を予防・改善するうえで基本となるのは、毎日の歯磨きです。ただ磨くだけではなく、正しい方法で行うことが重要です。

歯と歯ぐきの境目に毛先を45度の角度であて、小刻みに動かして歯垢を除去するバス法など、歯周病に効果的なブラッシング方法が推奨されています。また、磨き残しを防ぐために、時間をかけて丁寧にケアすることも大切です。

歯ブラシだけでは届きにくい部分には、デンタルフロスや歯間ブラシの使用が有効です。これらを併用することで、歯と歯の間にたまりやすい歯垢もしっかり除去できます。

定期的な歯科検診とプロフェッショナルケア

セルフケアだけでは磨き残しが生じるため、定期的に歯科医院を受診し、専門的なクリーニングを受けることが推奨されます。歯科医院では、専用の器具を使って歯垢や歯石を徹底的に除去するスケーリングやルートプレーニングといった処置が行われます。

これにより、細菌の温床となる物質を物理的に取り除き、歯周組織の炎症を抑えることができます。

また、歯科医師による定期検診では、歯ぐきの状態や歯周ポケットの深さなどをチェックし、進行具合を客観的に評価してもらえます。症状の進行を早期に察知し、必要な処置を速やかに受けることが歯を守る第一歩になります。

生活習慣の見直し

歯周病の予防には、日常生活の見直しも欠かせません。特に重要なのが食生活です。糖質の多い食事は歯垢の栄養源となるため、間食を減らす、食後すぐに歯を磨くといった習慣が有効です。

ビタミンCやカルシウムなど、歯ぐきの健康を保つ栄養素を意識的に取り入れることも大切です。

さらに、喫煙は歯周病のリスクを高める大きな要因です。たばこに含まれる成分が血流を悪化させ、歯ぐきの免疫力を低下させるため、炎症が悪化しやすくなります。禁煙をすることで、歯周病の進行を大きく抑えるられるでしょう。

睡眠不足や過度なストレスも免疫機能に影響し、口腔内の環境悪化を招く要因となります。十分な休息や、規則正しい生活リズムを意識することも、歯周病予防の一環と考えられます。

継続的なセルフケアの習慣化

歯周病は一度発症すると完治が難しく、進行を食い止めるためには継続的なケアが不可欠です。一時的に改善しても、ケアを怠れば再発のリスクは高まります。日々の丁寧な歯磨き、デンタルケア用品の活用、定期検診の継続といった習慣を長期的に維持することが重要です。

また、歯ぐきの異変に早く気づくことも予防には欠かせません。歯磨きの際に出血がある、歯ぐきが赤く腫れている、口臭が強くなったと感じたときは、できるだけ早く歯科医院で診察を受けるようにしましょう。

まとめ

歯周病を予防し美味しく食事をいただく女性

歯周病は、軽度であれば自宅での丁寧なケアにより改善が期待できるものの、進行すると専門的な治療が必要になります。放置することで歯を失うリスクが高まり、口臭や見た目の悪化、さらには糖尿病や心疾患など全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。

そのため、早期の対応が極めて重要です。

予防・進行抑制のためには、正しい歯磨き習慣の徹底、定期的な歯科検診、食生活の見直しや禁煙といった生活習慣の改善が欠かせません。日々の小さな積み重ねが、将来の歯の健康を守る一歩となります。

歯周病治療を検討されている方は、大阪市中央区南本町「堺筋本町駅」1号出入口より徒歩1分にある歯医者「ヤマシタデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。

当院は、「歯の健康に出会う歯医者」として安心・安全を心がけて診療にあたっています。虫歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療やインプラント、予防歯科にも力を入れています。案内ページはこちら予約フォームもございますので、ぜひご覧ください。