2025.07.03
喫煙者は歯周病になるリスクが高いって本当?口腔内に及ぼす影響も
こんにちは。大阪市中央区南本町「堺筋本町駅」1号出入口より徒歩1分にある歯医者「ヤマシタデンタルクリニック」です。

喫煙が健康に悪影響を及ぼすことは、今や誰もが知っています。肺や心臓に対するリスクが強調されることが多いですが、口腔内にも深刻な影響を及ぼします。
中でも歯周病との関連性は近年ますます注目されており、多くの研究が喫煙と歯周病の発症リスクに密接な関係があることを示しています。喫煙者は非喫煙者と比べて歯周病になりやすく、重症化しやすいのです。
この記事では、喫煙が歯周病を引き起こすメカニズムや喫煙が口腔内に及ぼす影響、さらには禁煙による改善の可能性について詳しく解説します。また、禁煙以外で歯周病を予防するためにできることも紹介します。
喫煙者は歯周病になるリスクが高いって本当?

結論から言えば、喫煙者は非喫煙者と比べて歯周病になるリスクが高いとされています。特に中高年層においては、喫煙歴のある人ほど歯ぐきの炎症や歯のぐらつきといった症状が強く出やすく、最終的に歯を失う確率も高くなります。
喫煙者が歯周病になるリスクが高い理由を以下で解説します。
有害物質によって血流が悪化するから
喫煙者が歯周病になりやすい理由としてまず挙げられるのが、タバコに含まれる有害物質による血流の悪化です。ニコチンや一酸化炭素は毛細血管を収縮させ、歯周組織への酸素や栄養の供給を妨げます。
これにより免疫機能が低下し、細菌への抵抗力が弱まるのです。さらに、タールなどの成分が歯の表面に付着することで歯垢や歯石がたまりやすくなり、歯周病菌の温床となります。
炎症のサインが隠れるから
喫煙によって炎症のサインが隠れるという問題もあります。通常、歯周病では歯ぐきが赤く腫れたり出血しやすくなったりしますが、喫煙者の場合は血流が悪いためにそのような初期症状が目立たなくなります。
そのため、気づいたときには進行しているケースも少なくありません。
喫煙が口腔内に及ぼす影響

喫煙が歯周病のリスクを高めることは前述の通りですが、その影響は歯周組織だけにとどまりません。口腔内全体にわたって多くの悪影響を及ぼすため、見た目だけではなく、健康面でも深刻な問題を引き起こします。
歯ぐき、舌、粘膜、唾液腺といった、あらゆる部分がタバコの害にさらされ、さまざまな症状や疾患を引き起こすのです。
口臭が悪化する
喫煙が及ぼす影響としてまず挙げられるのが、口臭の悪化です。タバコ独特の臭いがするだけではなく、歯周病の進行によって細菌が増殖することで、不快な臭いも発するようになります。
本人が気づきにくい上に、周囲の人に不快感を与えるため、対人関係にも影響を与えかねません。
歯や歯ぐきが変色する
歯や歯ぐきの変色も問題です。タバコのヤニによって歯の表面が黄ばみやすくなり、歯ぐきも黒ずんできます。清潔感が損なわれることで、印象にも大きな影響を及ぼします。
唾液の分泌量が減少する
また、喫煙は唾液の分泌量を減少させることが知られており、これにより自浄作用が低下します。唾液には口腔内を洗浄し、細菌の増殖を抑える働きがありますが、その機能が弱まると虫歯や歯周病の進行が加速します。
治療の効果が出にくくなる
喫煙者は、スケーリングやルートプレーニングなどの歯周治療を受けても、歯ぐきの回復が遅く、ポケットの改善も非喫煙者と比べて不十分な傾向があります。また、治療後も再発率が高くなることが知られています。
味覚や嗅覚が鈍くなる
タバコの成分が舌の表面や嗅粘膜に影響を与えるため、味覚や嗅覚が鈍くなることがあります。食べ物の味を感じにくくなると、食事の楽しみが減るだけではなく、栄養バランスにも影響を及ぼす可能性があります。
口腔がんのリスクが高まる
さらに見逃せないのが、口腔がんにかかるリスクが増加する点です。タバコに含まれる発がん性物質が長期間にわたって口腔粘膜に接触するため、舌がんや口腔底がんのリスクを高めるとされています。
歯科医院では口腔内のがん検診も行われていますが、喫煙者は特に定期的なチェックが重要です。
禁煙すれば歯周病は改善される?

喫煙によって悪影響を及ぼすということは、裏を返せば、禁煙によって歯周病が改善される可能性もあるということです。喫煙が歯周病の発症・進行に強く関与している以上、タバコをやめることでその影響が弱まり、歯周病治療の効果が現れやすくなるのです。
また、禁煙によって口腔内の環境が改善されると、歯ぐきの血流が回復し、免疫機能も正常に戻っていきます。これによって治療に対する体の反応も良くなり、改善へと向かう可能性が高まります。
実際、歯科医療の現場では、禁煙を始めてから数週間〜数か月の間に、歯ぐきの炎症が和らぎ、歯周ポケットが浅くなるなどの変化が見られることがあります。
さらに、禁煙には、歯周病に気づきやすくなるという重要な側面もあります。前述したように、喫煙者は炎症や出血といった歯周病のサインに気づきにくいですが、禁煙するとこれらの症状が表れやすくなり、早期発見につながります。
ただし、禁煙したからといって即座に歯周病が治るわけではありません。長年の喫煙習慣によって、すでに歯周組織が損傷している場合、回復には時間がかかることもあります。そのため、歯周病の予防・改善の観点から、できるだけ早期に禁煙に取り組むことが推奨されています。
歯周病を予防するために禁煙以外に心がけること

歯周病予防の第一歩として禁煙は非常に有効ですが、それだけで万全というわけではありません。歯周病は日常の口腔ケアや生活習慣とも深く関係しており、禁煙に加えて複数の対策を組み合わせることが、より効果的な予防につながります。
以下に、歯周病を防ぐために心がけるべき具体的なポイントを紹介します。
正しい歯磨き習慣の確立
歯周病予防において基本となるのが、正しい歯磨き習慣の確立です。歯周病の主な原因はプラーク(歯垢)に含まれる細菌であり、それを毎日の歯磨きで除去することが重要です。
特に、歯と歯ぐきの境目や奥歯の周囲は磨き残しが多くなりやすいため、丁寧にケアする必要があります。また、歯磨きに加えて、歯間ブラシやデンタルフロスの使用も習慣化すると、より細かな部分まで清掃が行き届きます。
食生活の見直し
また、食生活も見直すべき大切な要素です。栄養バランスの偏った食事は歯ぐきの健康に悪影響を与え、免疫力の低下にもつながります。ビタミンCやカルシウム、たんぱく質を意識的に摂取することで、歯周組織の修復や維持に寄与します。
さらに、糖分の多い食品や飲み物を頻繁に摂ると、口腔内の細菌が活性化して歯周病リスクが上がるため、間食の取り方にも注意が必要です。
生活習慣の改善
その他、ストレスの管理や十分な睡眠、適度な運動なども免疫力を高め、歯周病に対する抵抗力を強くします。これらの生活習慣の改善は口腔内だけではなく、全身の健康維持にもつながるため、一石二鳥の効果が期待できます。
定期的な歯科検診
最も重要なのが、定期的な歯科検診の受診です。自分では気づきにくい初期の歯周病も、歯科医師の目であれば早期に発見できます。
歯科医院では歯のチェックだけではなく、プラークや歯石の除去、口腔内の清掃指導なども合わせて行われます。これらのケアを定期的に受けていると、歯周病のリスクを大きく下げることができます。
歯周病の既往がある人や喫煙歴のある人は、3か月ごとの定期健診を受けることが推奨されます。
まとめ

喫煙が歯周病のリスクを高めることは、さまざまな研究結果から明らかになっています。喫煙による血流の悪化や免疫力の低下、さらには炎症サインの隠蔽など、口腔内に与える悪影響は多岐にわたります。
しかし、禁煙によってそのリスクを下げられる可能性があり、歯周病の改善や予防にもつながるとされています。毎日の正しい歯磨きやバランスの取れた食事、健康的な生活習慣、定期的な歯科検診などを組み合わせることで、歯と歯ぐきの健康を長く維持できるようになります。
自分の歯を守るためにも、今できることから一歩踏み出してみましょう。
歯周病治療を検討されている方は、大阪市中央区南本町「堺筋本町駅」1号出入口より徒歩1分にある歯医者「ヤマシタデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、「歯の健康に出会う歯医者」として安心・安全を心がけて診療にあたっています。虫歯・歯周病治療だけでなく、矯正治療やインプラント、予防歯科にも力を入れています。診療案内ページはこちら、予約フォームもございますので、ぜひご覧ください。